「成田アートアクション実行委員会」設立にかける思い
観劇したいけど…遠方の都心部まで行くには、時間的余裕がない、高齢になった、あるいは健康などの理由で観劇したくても機会を失ってしまった等の声を聴いているうちに、わざわざ遠くまで時間をかけて足を運ばなくても、一人でも多くの方が地域にいながら充実した時間を作れる機会を増やせないか、活動できる組織を作れないか。それが「成田アートアクション」設立のきっかけとなりました。
私たちが、地域の皆さんにお観せしたい!素晴らしい!と選んだ演劇や音楽を紹介し、自分たちの手で公演を主催し、成田地域に文化・芸術を定着させることができたら何よりの喜びです。
そこで、成田アートアクションの第一回公演を記念し、 一昨年2月に亡くなった石牟礼道子さんの著書『西南役伝説』より『六道御前』を、舞台俳優の金子あいさんが、三味線・尺八の音楽を伴奏に一人で物語る、浄瑠璃芝居(じょろりしばい)を上演していただこうということになりました。
実は、筆者は東京の吉祥寺シアターで開催されたこの公演を間近に知り、急遽仕事を調整し千葉から吉祥寺まで3時間かけて車を走らせ、開演ぎりぎり滑り込みセーフで観賞した公演でした。このとき、作家石牟礼道子さんは「水俣病の患者に寄り添い活動していた方」という事は存じ上げていましたが著書に触れる機会は無くこの時が初めてでした。
「六道御前」は、流浪の芸能者おろく婆さんが西南の役により天涯孤独になった壮絶な半生を語るというものですが、金子あいさんの演じる姿を見ているうち、何ともいえぬ胸に詰まる感じが込み上げ、自然と涙が溢れて溢れて止まらなくなっていたのです。周りを見るとやはり皆ハンカチで涙を抑えているのです!
何だろう胸の奥にぐぐっとくるこの感じは。
あの感動をもう一度。
誰かに伝えたい、皆にみせたい、観てもらわなければこの感動は伝わらない。
そのような想いが胸に刻まれた日でした。
あの時の思いを実現すべく、記念すべき第一回目を「六道御前」とする事に決めました。
⤴︎浄瑠璃芝居「六道御前」公演の模様
語り芝居 金子あいさん
作曲・三味線 佐藤岳晶さん
尺八・能官 設楽瞬山さん
⤴︎2020年1月11日発行 地域誌「エリート情報成田版」に記事が掲載されました。
なぜ「金子あい」さん?
金子あいさんと千葉県のつながりは2012年に多古町の日本寺に招聘され「平家物語〜語りと波紋音」を公演したことに始まります。以来、毎年多くのファンが集まり「平家物語」のみならず「源氏物語」や山本周五郎作品と公演を重ね今年で9年目になります。また、成田アートアクション代表の塩﨑が、前職の市立図書館員だった時、開館10周年記念事業「平家物語〜語りと波紋音」を企画、実施しました。更に、昨年12月14日(土)には佐倉市志津図書館で語りワークショップ「平家物語~壇ノ浦の戦い」(主催:佐倉市志津図書館、協力:成田アートアクション)を開催、新聞雑誌コーナーに110名を越える参加者が集まり、1月23日(木)には千葉市生涯学習センターで「平家物語」語りワークショップが開催されます。多古日本寺公演をきっかけに、金子あいさんの「語り芝居」に魅せられるファンが千葉県北総地域に着々と増えています。
記念すべき第一回公演にお招きするのは、やはり金子あいさん以外考えられませんでした。
こうして成田アートアクション実行委員会は第一歩を歩み始めたのですが、何せ2019年9月に活動をスタートさせたばかりで、まだまだ人手もなく、どうすれば沢山のお客様に劇場に足を運んでもらえるのか、初めての事ばかりで公演のやり方も手探り状態です。
今後は、私達と一緒に活動してくれる人をもっと増やしたいな 等とも考えています。ご興味ある方、ノウハウ等伝授頂ける方などがいらっしいましたら是非お声かけいただきたいと思っています。
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